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プリント基板にはさまざまな電子部品が配置され、電子機器や機械の回路構成に用いられます。
部品が連携して機能することで機械の動作や性能が最適化されますが、そのためには、電子部品の種類や特性を把握しておかなければなりません。
この記事でこれらの基礎知識を身につけ、電子機器や機械の性能向上や効率化に貢献できるようにしましょう。
プリント基板は、電子機器や機械の中で回路を構成するためのものです。
多くの場合、プリント基板上にはさまざまな電子部品が配置されており、これらの部品を接続して正常に作動するように設計されています。
プリント基板の電子部品は、電子回路の機能や動作を制御したり、機械全体の機能性や性能に影響を与えたりする非常に重要なものであると言えます。
ここから、プリント基板によく使用される代表的な電子部品の種類をご紹介します。どの部品も機器の機能性や性能を向上させるために欠かせない重要な役割を持つものなので、基礎知識として把握しておくと良いでしょう。
抵抗器は、電子回路において電流を制限するために用いられる部品であり、プリント基板で最も一般的に使用される部品の一つです。
抵抗器の主な役割は、回路内の電流調整や動作制御です。そのため、抵抗器の正確な抵抗値や耐性が、回路の正常な動作や性能に直接影響を与えることになります。
抵抗器にはさまざまなタイプがありますが、両端にリード線があり、本体に色付きのリングが刻まれた「軸」スタイルのものが昔からある抵抗器の一種です。
これらのリングは、特定の数字や乗数を示すカラーコードに従って色分けされています。これにより、抵抗器の抵抗値を容易に識別することができます。
抵抗器は、電気回路において非常に重要な役割を果たす基本的な構成要素で、抵抗器に関する理解は、電子工学や電気回路の設計、製造、保守に携わるエンジニアや技術者にとって不可欠な基礎知識となっています。
プリント基板に使われるコンデンサの主な機能は、一時的に電荷を蓄積し、電力が必要な場合にその電荷を放出することです。
通常、コンデンサは、2つの導電層によって分離された絶縁または誘電体材料で構成されています。このような構造により、コンデンサは電圧を蓄積し、回路内で電流の変動を補償する役割を果たします。
また、コンデンサは回路内で信号のフィルタリングや整流、電圧安定化などの目的にも使用されます。
1枚の基板に実装される部品数は電子機器の機能によって異なりますが、一般的には実装部品の30%から40%がコンデンサで構成されています。プリント基板上のコンデンサによって、電子機器の電気が効率的に供給されるため、あらゆる用途で必要不可欠な電子部品であると言えます。
インダクタは、抵抗やコンデンサと同様に、電子回路において重要な受動部品の一つで、電力を整流したり増幅したりせず、そのままの形で電気エネルギーを扱います。
一般的なインダクタは、コイルとして知られる導線をらせん状や渦巻き状に巻いた構造をしています。
電流がインダクタを流れると、磁場を発生させ電流の変化に応じてエネルギーを蓄積します。また、この蓄積されたエネルギーは、電流が変化するときに放出され、回路内の電流や電圧の変化を調整するのに役立ちます。
インダクタは、フィルタリング、電気信号の安定化、スムージング、変換、増幅、発振回路など、さまざまな用途で使用され、特にスイッチング電源回路や無線通信回路などでよく見られます。
プリント基板上で使用される変圧器は、電子回路内で電圧を増減させながら、電気エネルギーを一つの回路から別の回路に伝達する役割を果たします。
インダクタと同様に、軟鉄コアを使用し、少なくとも2つのワイヤコイルが巻かれています。これには、一次コイル(ソース回路用)と二次コイル(エネルギーが転送される回路用)が含まれます。
一般的なプリント基板の変圧器は、小型であり、家庭用電子機器や小型電子装置で使用される低電圧の変換に適しています。
ダイオードは、電気の流れを一方通行に制御する半導体を用いた電子部品で、基本的な構造は二端子を持ち、正方向電圧下では低い抵抗を示し、逆方向電圧下では電流をほとんど流さない特性を持ちます。
主に整流回路や保護回路で使用されるほか、特定の用途に応じてさまざまな種類が存在します。たとえば、ゲルマニウムダイオードはラジオなどの無線機器で使用され、フォトダイオードは光を感知して電流を変化させる特性から光センサーや光通信などで活用されています。
また、LED(Light Emitting Diode)は、電気が通過することで光を放射するダイオードで、パソコンやスマートフォンのバックライトや照明など幅広い用途で利用されています。
トランジスタは、現代の電子機器において基本的な構成要素で、ICチップの中に数十億個ものトランジスタが配置されることもあります。主に、増幅器とスイッチング機能を提供して、電子機器の高度な機能性を実現しています。
増幅器としては、トランジスタは微弱な信号を増幅して強力な信号に変換する役割を果たしており、信号処理や通信システムなど、さまざまなアプリケーションで使用されています。
一方、スイッチとしては、トランジスタは回路をオンまたはオフに切り替えることができます。これにより、デジタル回路や制御回路などで信号の制御を行います。
シリコン制御整流器(SCR)は、一種の電子スイッチであり、スイッチングや増幅回路で使用される点はトランジスタやダイオードと似ています。
しかし、トランジスタやダイオードは制御信号がない限りオフの状態を保ちますが、シリコン制御整流器は、一度スイッチがオンになると、外部からの信号がなくても自身の内部回路によってオンの状態を維持します。
外部からの制御信号がなくても自動的に導通状態を維持できるということは、連続的な電力供給や回路の動作が安定することが期待できるということで、シリコン制御整流器はより大量の電力を切り替えるのに適していることがわかります。
集積回路(IC)は、トランジスタや抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの電子部品を一つの部品に集積したものです。通常、数cm角の小さな欠片である「チップ」上に電気回路を形成し、複雑な処理や大量のデータの記憶を行います。
集積回路の登場は、初期の計算機を生み出し、今日ではスマートフォンからスーパーコンピューターまでのあらゆるデバイスの基礎となっています。さらに、スマートフォンやノートパソコン、小型ゲーム機などのコンパクト化も促進されました。
リレーは、電気回路において電流の流れを制御する部品であり、運動会のリレー競技でのバトンのように、電気信号をつなぐ役割を果たします。日本語では「継電器」とも呼ばれます。
リレーは、ソレノイド(線巻きコイル)を介して動作し、電流が流れると一時的に磁石のような作用を示します。これにより、スイッチとしての機能を果たし、小さな電流を大きな電流に増幅することも可能になります。
スイッチは、回路内の電流の流れを制御するための基本的な部品で、スライダー、ロータリー、プッシュボタン、レバー、トグル、キースイッチなど、さまざまな種類があります。
一般的には、スイッチは電源のオン/オフを制御するために使用されると考えられがちですが、基板に搭載されるスイッチは、電気信号の流れを制御して回路を開閉する役割を果たします。
したがって、外部からの力を受け、機械的な操作によって電気信号を切り替える部品はすべてスイッチに分類されます。
センサーは、環境の変化を電気信号に変換する電子部品で、温度、湿度、明るさ、磁気などのさまざまな物理量を検出します。これにより、センサーは電子機器やシステムにおいて、環境の状態を監視したり、制御したりする役割を果たします。
例えば、サーモスタットは温度センサーを使用し、設定された温度を維持するように空調や暖房を制御します。センサーは機器にとって「知覚」としての役割を果たし、環境の変化を検出して、それに応じて動作を制御します。
水晶発振器は、電子デバイスや回路で安定したクロック信号を生成するために使用される重要な部品です。
水晶は非常に安定な振動特性を持っています。これは、水晶が特定の周波数で振動しやすく、外部の環境要因の影響を受けにくいからです。そのため、水晶発振器は信頼性の高いクロック信号を提供します。
クロック信号が信頼性が高く安定している場合、システム全体の動作も安定し、正確なタイミングで動作が実行されます。これにより、データの処理や通信などの各機能が適切に行われ、システムのパフォーマンスが向上します。
ここまでご紹介した電子部品の取り扱いには注意が必要です。正しく取り扱わなければ、部品が損傷し、製品の性能や信頼性が低下する恐れがあります。
以下では、電子部品の取り扱いに関する基礎知識をまとめます。
湿度管理は、電子部品の取り扱いにおいて非常に重要です。特に、半導体パッケージの封止樹脂やプリント基板の樹脂素材は湿気を吸収する性質があります。
この湿気がリフロー加熱時に気化し、部品の体積が膨張することでポップコーン現象が発生します。これにより、樹脂とICチップの剥離やクラックが生じる可能性があります。
ポップコーン現象を避けるために、真空パックで入荷される電子部品があります。これらの部品はMoisture-Sensitive Devices(MSD)として分類され、Moisture Sensitivity Level(MSL)管理が必要です。
(※MSLには各レベルごとに室内放置寿命が設定されており、レベル3では168時間です)
▲真空パックで入荷する電子部品
同様に、プリント基板の樹脂素材も湿気を吸収しやすく、不適切な湿度管理が行われた製造工程や保存環境下では、リフローおよびフローはんだ付け工程において問題が生じる可能性があります。これには、はんだ飛散やブローホール、層間剥離などが含まれます。
したがって、電子部品の取り扱いおよび製造工程においては、湿度管理を十分に考慮し、湿気の影響を最小限に抑える対策が必要です。
安曇川電子工業には、電子部品やプリント基板 を保管する湿度管理室があり、湿度が40%以下になるように保たれています。
▲湿度管理室
さらに、より湿気に注意を払わなければならない部品を保管するドライボックスを増設しました。
▲ドライボックス
ドライボックスは湿度が1〜2%で制御されており、これによって部品の品質や性能を保護し、製品の信頼性を確保することができます。
静電気は電子部品にとって深刻な問題を引き起こす可能性があります。半導体や集積回路(IC)などの電子部品は、わずか100Vの電気でも損傷を受けることがあるほどです。
静電気による電子部品の破損を防ぐために、安曇川電子工業では以下のような取り組みを実践しています。
人体に蓄積した静電気を逃すために導電性マット(アースマット)を使用します。これにより、電子部品への静電気の影響を軽減します。
静電気を帯びているかどうかを確認するための装置です。静電気の発生を防止するために使用されます。
導電性スポンジや導電性袋を使用して、電子部品を保護します。これらの素材は静電気を帯びにくくし、部品の損傷を防ぎます。
安曇川電子工業では、静電気対策の重要性を従業員に教育しています。新入社員や中途採用者に対して定期的な静電気教育を実施し、製品品質の維持に取り組んでいます。
電子部品の静電気対策については、こちらの記事もご覧ください。
安曇川(あどがわ)電子工業です。プリント基板・部品調達〜基板実装、電気機械器具組立まで、
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