phone0740-32-3333

― 本記事は、2023.7.15に公開した内容に、新たな情報を加えて修正したものです ―
プリント基板にある小さな穴、ビア(VIA)は、両面基板や多層基板において、層間に電流を流すために必要なものです。
ビアがあることでなぜ導通するのか、ビアにはどのような種類があるのかなどをプリント基板実装を手がけるアドガワエレクトロニクスが解説いたします。
目次
プリント基板には「ビア(VIA)」と呼ばれる穴がいくつも開いています。「via」は「経由する」とか「通る」という意味があり、プリント基板においては、導通するためにビアは存在しています。
基板の表面層のみで、すべての配線が完了し接続要求を満たすことができればよいのですが、多くの場合はそうではありません。そこで、両面基板や多層基板を用いて配線接続ができるスペースを増やすのですが、その際に複数の層を導通させる必要があります。
ビアの穴の内面は銅メッキが施されているため、ビアがあるところや貫通しているところは導通し、別の層にも電流が流れるようになるのです。ビアの数を増やせば、その部分はより多くの電流が流れることになります。
しかし、ビアを打つことは製造コストを増加させ、電気特性を劣化させる要素にもなるので、一般的に配線設計ではできるだけビアの数は少なくする設計が理想とされています。
ビアとよく似ていますが、まったく役割の違う穴に、スルーホールがあります。ビアは電流を流すための穴ですが、スルーホールはリード部品を挿入するための穴です。
スルーホールの穴の内面は銅メッキが施されており、さらに穴の周りには、「ランド」と呼ばれるはんだ付けする部分があり、スルーホールとランドは電気的につながるようになっています。
ビアはリード部品を通すわけではないため穴が小さいですが、スルーホールはリード部品を通す分、ビアよりは大きな穴になっています。
ビアは、貫通の仕方や基板の層のどこを貫通しているかなどによって種類が変わります。
スルーホールビアとは、多層基盤などにおいて、全ての層を貫通した接続用のビアのことです。
一般的に多層基板では、基板を積層した後ドリルで穴をあけ、その後銅メッキを施してビアを作ります。こうして出来たビアは、部品面のあるトップ層からはんだ面であるボトム層までを貫きます。
スルーホールという名前が付いていますが、先ほどご紹介したリード部品を挿入するスルーホールとは別の物で、スルーホールビアはあくまでもビアの種類の内の一つです。
<お気軽にお問い合わせください>
インタースティシャルビアは、基板を貫通しない非貫通ビアで、4層以上の基板で使われるビアのことです。穴あけは、ドリルではなくレーザーを用いて行なわれます。
インタースティシャルビアの中でも、表面層から内層を接続するビアのことをブラインドビアと呼びます。表層と1つ以上の内層を接続しますが、基板全体を貫通するものではありません。
ベリードビアは、表層は含まず、内層間のみを接続するビアのことです。基板表面からは見えず、基板内部に埋め込まれていることから、埋め込みビアとも呼ばれています。
ベリードビアによって、基板内部の2層以上の内層間が接続されます。
ビアは、打ち方によって配線スペースが狭くなったり、配線の妨害をしてしまったりする恐れがあるため、事前のビアの位置設計は非常に重要です。
また、スルーホールビアは一気に貫通させれば良いですが、インタースティシャルビアは、各層間の穴の位置が同じでも良い場合と、穴位置をずらして打たなければならない場合とがあります。
そのため、基板工場の設備や工法によって異なるビア形成については、製造工場に確認した方が安心です。
プリント基板に部品を実装した後に、防湿コーティングを行う場合があります。その際にビアホールがあると、コーティング剤がビアを通して基板裏面まで流れ込み、不良品を作ってしまうことがあります。
そこで、コーティング剤がコネクタやスイッチの接続部に付着することを避けるためには、ビアの穴径を小さくし、レジストインクで穴が埋まるようにするなどの工夫が必要です。
このようにアドガワエレクトロニクスでは、プリント基板製造や表面実装、組み立て時に発生するお客様の困りごとを解決するさまざまなVA・VE提案を行っております。
・試作から量産への移行でトラブルが多い
・委託先(基板実装会社)との意思疎通に時間がかかる
その結果、製造コストが膨らむ
アドガワエレクトロニクスがまとめた「技術ハンドブック」には、基板設計・実装におけるコストダウン事例や品質向上のノウハウを多数掲載。量産を前提とした試作の進め方や、VE提案による改善事例もご紹介しています。
・量産時の失敗コストを削減
・製品価値を高める改善提案のヒントを獲得
・基板実装 委託先選定の判断材料 といった実践的な事例を掲載しています。
技術ハンドブックを、製品開発の加速とコスト競争力強化に、ぜひお役立てください。ダウンロードは、⇒ 特設サイトから
アドガワエレクトロニクスは滋賀県高島市を拠点にする会社です。プリント基板・電子部品調達〜基板実装(表面実装、挿入実装)、コーティング、エージング試験、電気機械器具組立まで、関西・近畿一拠点・自社工場で一貫生産体制を整えています。SNSやブログでは、アドガワエレクトロニクスが製造現場で培った技術や品質管理の取り組み、人材育成、最新の業界動向をわかりやすく発信しています。
⇒ 会社概要 :
https://www.adogawa.co.jp/company/
⇒ 表面実装サービス紹介 :
https://www.adogawa.co.jp/mounting/serface/
⇒ 最新記事一覧 :
https://www.adogawa.co.jp/blog
⇒ お問い合わせ :
https://www.adogawa.co.jp/inquiry/
担当者から御社に最適なご提案をさせていただきます。
