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リジッド、フレキシブル、テフロン ……。基板素材で耐熱性、電気特性が変化2023.07.12

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プリント基板の材質について

プリント基板は、材質によって基板の耐熱性、電気特性などが異なるため、電子機器を正常に、長期的に作動させるためには、適した材質のプリント基板を選択する必要があります。

そこで今回は、プリント基板にはどのような種類があるのか、ベースの材質や基材に使われる樹脂などに注目してご紹介します。

また、電子機器を安全に機能させるために、基板の材質の選択や表面実装の工程でどのような注意が必要なのか、さまざまな材質のプリント基板実装を手がける安曇川電子工業がお伝えします。

プリント基板をベースの材質で大別

プリント基板は、ベースとなる基材の材質によってまずは大きくリジッド基板とフレキシブル基板の2種類に分けることができます。

リジッド基板

リジッド基板

リジッド基板とは、「固い」を意味する「Rigid」から名前が付けられていて、柔軟性がない、固い絶縁体機材が使われています。「プリント基板」というと、一般的にこのリジッド基板のことを指していることがほとんどです。

リジッド基板は、部品を実装する際に、設備に基板を直接固定することができるため、実装が容易にできるという特徴があります。

フレキシブル基板

フレキシブル基板

フレキシブル基板は、薄い絶縁材料を使っていることもあり、柔軟性があって曲げることができるプリント基板です。主に、折りたたみ式携帯電話やノートパソコン、電子辞書などの可動部分やカメラのレンズ部分などに利用されます。

電子機器は年々小型化、軽量化され、薄型へと変化していますが、その発展を支えているのはフレキシブル基板と言えます。フレキシブル基板は、特に軽量化が必要な宇宙開発に関わる機器や航空などにも採用されています。

プリント基板の材質と適正用途

プリント基板=リジッド基板という概念がありますが、ベースに使用される材質(基材)と樹脂によって、リジッド基板は種類分けできます。

基材には、「紙」と「ガラス布」があり、樹脂には「エポキシ樹脂」と「フェノール樹脂」を用いたものが一般的で、基材と樹脂の組み合わせでリジッド基板は形成されています。

材質で変わるリジッド基板の種類、そしてフレキシブル基板の材質についてもご紹介します。

プリント基板の材質と用途

紙フェノール基板

紙基材にフェノール樹脂を含浸させた材料で製造したプリント基板を、紙フェノール基板といいます。一般的に片面基板で使われており、切断や穴開けにおいて加工性がよく、価格も安いため、個人ユーザーも利用しやすい基板です。

ただ、耐熱性や耐久性が低く、吸湿性も劣るというデメリットがあるのも特徴です。そのため、熱や水分の影響があまりない、白物家電、家庭用電話機、ゲーム機などに採用されています。

紙エポキシ基板

紙基材にエポキシ樹脂を含侵させた材料で製造したプリント基板です。紙フェノール基板よりも耐熱性や吸湿性に優れています。紙エポキシ基板も片面基板で使われることが多いです。

高電圧回路や食器洗い機などの吸湿性を求められる回路に適しています。

ガラスエポキシ基板

ガラエポキシ基板は、ガラス繊維製の布を重ねたものに、エポキシ樹脂を含浸させ製造したものです。現在、最も多くの電子機器などで使用され、両面基板以上の多層基板のほとんどがガラスエポキシ基板です。

耐久性が高く、電気的特性が良いという特徴があり、高信頼性や高周波が求められるパソコンやデジカメ、ICカード、産業機器などに使われます。

専用の工具や機械がないと加工ができないため加工性が良いとは言えず、紙フェノール基板と比べるとコストも2〜3倍程度になります。しかし、取り扱い量が多くなったため、高性能でありながら安価に利用できるようになってきています。

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ガラスコンポジット基板

ガラスコンポジット基板とは、ガラス布とガラス不織布を混ぜ合わせた基材にエポキシ樹脂を含侵させた材質がベースのプリント基板です。

コンポジット基板(複数のものをを組み合わせた基板)の中でもメインで使われる基板です。両面基板として使用されることが多いです。

ガラスコンポジット基板はガラスエポキシ基板より柔らかく、配線間のショートにも強いという特徴があり、主に、家電製品やAV機器、産業機器、アミューズメント機械などに利用されています。

LTCC基板

LTCC基板とは、(Low Temperature Co-fired Ceramics)の頭文字をとったもので、「低温同時焼成セラミックス」の略称です。アルミナとガラスとの複合材料で構成されています。

従来のアルミナを主成分としたセラミックス基板では、1600℃程度の高温で焼成をしなければいけなかったものが、LTCC基板は、アルミナにガラスを加えることで900℃以下の低温で焼成することができるように。

また高温では、配線導体は高融点金属のタングステンやモリブデンが用いられていましたが、低温では低融点である銅や銀を使った回路パターンを基板の内部に作り込み、同時焼成し一体化することが可能になりました。

一般的に金属は高温になると電気抵抗が高くなり、電流がスムーズに流れなくなりますが、低温で製造できるLTCC基板は電気特性に優れているため、主に、高周波モジュール、半導体パッケージ、耐環境性が要求される機器などに広く利用されます。

テフロン基板

テフロン基板は、ガラス布基材にフッ素樹脂(テフロン)を含浸させた材料で製造したプリント基板です。

フッ素樹脂は電気的に安定しており、高周波に影響を与えにくい特性がある材料で、主に優れた高周波特性を求められるWi-FiやGPS測定器、アンテナ、衛星通信機器といった回路に適しています。

フレキシブル基板

フレキシブル基板はリジッド基板と違って、基材に絶縁性を持った薄く柔らかいプラスチックフィルムが採用されています。

このプラスチックフィルムの材質は、一般的にはポリイミドフィルムで、その他にはPETフィルムも採用されることがあります。

プリント基板材質の選び方

プリント基板の材質によって、耐熱温度や吸湿性が異なるなどそれぞれ特徴があります。

コストを下げたいからといって安価な材質のプリント基板にすると、使用用途に適していないために電子機器が安定して作動しなくなったり、時には燃焼事故が起きたりという事態も起きかねません。

メーカーごとのプリント基板材質の耐熱温度や耐用年数を比較し、使用する電子機器に最適な材質を選択するようにしましょう。

また、プリント基板の材質選択だけでなく、製造時や表面実装時の扱い方や保管方法も、精密なプリント基板には重要です。

安曇川電子では、資材を保管する湿度管理室は湿度が40%以下になるよう常に管理をしているほか、さらに湿度に弱いフレキシブル基板などは湿度1〜2%のドライボックス内にて保管するなど、徹底した管理体制をとっています。

プリント基板の湿度管理

デリケートな材質のプリント基板でも扱いに注意が必要な部品を実装する場合でも、安曇川電子なら専用の設備と高い技術で品質を保証いたします。

プリント基板の部品実装は安曇川電子工業へ

公式ソリューションサイトTOPより

安曇川電子工業はプリント基板の実装 、手挿入部品のフロー半田、ユニット組立を専門に行う会社です。

基板設計者の方が製図した基板の機能を維持しつつ、量産時に不具合やコストアップを招かないよう変更提案を行うVA・VE提案を得意とするほか、基板実装だけでなく、ユニット・制御機器のOEMメーカーとしての実績も多数保有しています。

  • 基板の生産コストを抑えたい
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プリント基板実装に関して25年の実績があり、高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へお問合せください。

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