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プリント基板の防水・防湿コーティングとは?重要性や種類について解説2024.06.13

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プリント基板は、電子機器の心臓部とも言える重要なコンポーネントですが、湿気や水分の影響を受けやすいため、防水・防湿のコーティングが欠かせません。

この記事では、防水・防湿コーティングの重要性とその効果について解説するとともに、コーティングの種類とそれぞれの特性についてまとめていきますので、ぜひ参考にご覧ください。

基板|防湿コーティングと防水コーティングの違い

基板|防湿コーティングと防水コーティングの違い

従来、プリント基板コーティングの目的は主に防湿・防塵程度でしたが、近年では水没環境(水中)でも一定の条件下で機能する防水コーティングの需要が増加しています。

まずは、防湿と防水のコーティングの違いについて解説します。

防湿

防湿コーティングは、湿気や粉塵から基板を保護するために使用されます。湿気が基板に付着することで生じる腐食や漏電、絶縁劣化(不良)などの問題を防ぐことが目的です。

また、粉塵の蓄積によって引き起こされる熱放散の妨げや機械的障害から基板を守ります。

防湿コーティングは、以下のような普通の暮らしで遭遇するレベルの湿気から基板を保護する用途で施されます。

防湿コーティングの主な用途

  1. 家庭用電化製品
    • キッチン家電:調理中の蒸気や洗い物から発生する湿気から家電を保護
    • 浴室家電:シャワーや入浴後の湿度の高い環境で使用する家電の保護
    • 洗濯関連機器:洗濯機の使用中や乾燥機から発生する湿気から電子部品を保護
  2. オフィス機器
    • コピー機やプリンター:多量の紙を使用することで発生する湿気や紙粉を防ぎ、機器の性能を維持
    • コンピュータルーム:多数の電子機器が稼働する環境での湿気と熱の相互作用から機器を保護
  3. 工業用機器
    • 製造ラインの機器:湿度の高い工場環境での機器保護
    • 農業機器:温室や灌漑(かんがい)システムでの湿気対策
  4. その他の用途

    • モバイル機器:日常使用での湿気や汗からの保護
    • 自動車用電子機器:車内やエンジンルーム内の湿気対策

防水

防水コーティングは、より厳しい環境条件下での水分や液体の侵入からプリント基板や電子機器を保護するために使用されます。

水没や激しい水の噴霧、常に湿気の多い環境で使用される機器において、防水コーティングを施すことで、電子機器が水や液体の侵入による故障から保護されます。

防水コーティングの主な用途

  1. モバイル機器
    • スマートフォン:日常使用での防水・防塵保護のほか、雨中での通話、プールや海辺での使用時の浸水防止/li>
    • ノートパソコン:生活防水レベルの保護。飲み物のこぼれや屋外使用時の雨からの保護
  2. 屋外機器
    • エアコン室外機:雨風にさらされる環境でも基板が劣化しないように保護
    • 給湯器:湿度や水滴にさらされる環境での基板保護
    • 庭やテラス用の電子機器:自動スプリンクラーやガーデンライトなど、雨や災害時の浸水から保護
  3. 工業用機器
    • 工作機械:切削油や冷却液が飛散する環境で使用される基板の保護
    • 農業用機器:灌漑(かんがい)システムや温室内の湿気に対応するための基板保護
    • 鉱山機器:高湿度や水濡れが発生する環境下での機器保護
  4. 特殊用途

    • 医療機器:滅菌工程や洗浄プロセスで水がかかる機器の保護
    • 海洋機器:船舶や潜水機器など、海水環境で使用される電子機器の防水保護
    • 防災機器:洪水や水害時に使用される通信機器やセンサーの防水保護

プリント基板の防水・防湿コーティングの必要性

防湿コーティングと防水コーティングには、防水性の高さにおいて多少の違いはありますが、防水性だけでなく、どちらもさまざまな要因から電子機器を守るために重要な役割を果たします。

ここからは、防水性以外でプリント基板にコーティングが必要な理由を詳しく説明します。

塵や異物からの保護

屋外や工場などで使用される電子機器は、塵や異物にさらされることが多いものです。これらの微粒子が基板上に付着すると、電気的な接触不良やショートを引き起こすリスクが高まります。

防水・防湿コーティングをすることで基板表面に保護バリアを作り、塵や異物の付着を防ぐ役割も果たします。

化学物質の影響を防ぐ

産業環境や医療機器など、特定の用途では化学物質の影響を受けやすくなります。化学物質は基板の材料を劣化させ、回路(金属銅のランド部分)の性能を低下させる恐れがあるものです。

化学的な腐食を防ぎ、基板の長期的な安定性を維持するためにも、基板の防水・防湿コーティングは重要です。

絶縁効果の向上

プリント基板上には、非常に近接して配置された多くの回路があります。

防水・防湿コーティングは、これらの回路間の絶縁を強化し、ショートや漏電のリスクを低減させます。特に高電圧が関与する回路では、絶縁性の確保が不可欠です。

耐久性の向上

防水・防湿コーティングは、基板の表面を機械的な摩耗や物理的な損傷からも保護します。

これにより、基板の耐久性が向上し、過酷な使用環境でも長期間にわたって安定した性能を発揮できるようになります。

 

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基板の防水・防湿コーティングの種類

プリント基板を湿気や水分から保護する防水・防湿コーティングにはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や用途があります。

アクリル系コーティング剤

アクリル系コーティング剤は、耐候性があり、一般的な基板保護に使用されます。耐久性が比較的高く、塗布後の表面を保護するために適しています。

一方で、防湿性が高くないため、防水性が求められる場合には適していません。保護機能を高めるには高膜厚が必要となりますが、その結果、基板の重量が増加するデメリットがあります。

また、アクリル系コーティングは揮発性が高い有機溶剤を含有しています。取り扱い時には火災や爆発の危険性があるため、適切な保管や使用、換気設備の設置、作業者の訓練などが求められます。

ウレタン系コーティング剤

ウレタン系コーティング剤は、耐摩耗性や耐薬品性が高く、柔軟性があります。そのため表面の保護だけでなく、耐久性が求められる場所や機器の表面保護に適しています。

ただし、アクリル系と同様に防水性は高くありません。防水性が重要な場合には、他のコーティング剤や防水処理が必要となるほか、高膜厚が必要となります。

また、ウレタン系コーティング剤に有機溶剤が含まれるため、法的規制を遵守し、安全に取り扱うことが求められます。

シリコン系コーティング剤

シリコン系コーティングは、ゴム状の柔軟な皮膜を形成し、低温でもクラック(割れ)を生じにくい特性があります。

しかし、湿度を通しやすく、防湿性は他のコーティング剤に比べて劣ります。膜厚を増やして防湿機能を得ることになりますが、その結果、基板重量は大幅に増えてしまいます。

オレフィン系コーティング剤

オレフィン系コーティングは、ゴム状の皮膜を形成します。この皮膜は低温下でもクラックが発生しにくく、防湿性が高いのが特徴です。

注意点としては、有機溶剤を含有しており、取り扱い時にはアクリル系やウレタン系と同様の管理が法的に義務付けられています。

また、一部のオレフィン系コーティング製品は不燃性ではないため、ウレタン系やアクリル系、シリコン系、フッ素系と比べて火災への耐性が低い可能性があります。

フッ素系コーティング剤

フッ素系コーティング剤は、他の樹脂に比べて数倍以上の防湿性と耐酸性を持っています。これにより、薄い皮膜でも十分な保護効果を発揮し、基板の重量を大幅に増加させることなく保護できます。

また、メリットとしては、引火性がないため安全性が非常に高く、管理が容易で防爆性設備への投資も不要。さらに、低粘度で塗布が容易、低臭気であることから、安全で快適な環境で作業者の負担を軽減します。

プリント基板にコーティングする際の注意点

プリント基板にコーティングする際の注意点

基板の信頼性と耐久性を確保するために欠かせない防湿・防水コーティング。以下で、コーティングを行う際の注意点ついて詳しく説明します。

用途と環境に応じたコーティング剤の選定

コーティング剤を選ぶ際には、使用する環境や用途に応じて最適なものを選定することが重要です。

例えば、湿気が多い環境や水に触れる可能性がある場合には、防湿性能が高いコーティング剤を選ぶ必要があります。

適切な膜厚の確保

防湿コーティングは、膜厚が重要な要素となります。膜厚が不足していると防湿効果が不十分となり、基板の保護が不完全になります。逆に、過剰な膜厚は重量増加などの問題を引き起こす可能性があります。

適切な膜厚を確保するために、製品の仕様や使用環境に基づいた適切な塗布量を確認することが必要です。

施工環境の管理

基板コーティングを行う作業環境の湿度や温度が高すぎると、コーティングの性能が発揮できないことがあります。

そのため、施工環境を適切に管理し、規定された条件下で作業を行うことが求められます。

安全の確保

一部のコーティング剤は有機溶剤を含むため、取り扱いには注意が必要です。

適切な保護具を着用し、換気を行うことで、作業者の健康と安全を確保しなければなりません。また、法的規制に従った管理も欠かさずに行いましょう。

安曇川電子工業の防湿コーティング

安曇川電子工業は、精密な基板コーティング技術を駆使し、多様なニーズに対応しています。

ポイント型自動塗布機

ポイント型自動塗布機

安曇川電子工業はポイント型自動塗布機を導入しています。この機器は、コネクタ端子部への塗布を回避し、電子チップが密集した領域にピンポイントで所望量のコーティング剤を塗布することができます。

これにより、不要な箇所への塗布を避けつつ、必要な部分には確実にコーティング剤を塗布することが可能です。

極小チップ間のコーティング

極小チップ間のコーティング

コーティング箇所にブラックライトを当てると、青白く発光します。安曇川電子工業のコーティング技術は、極めて狭い部品間隔にも対応しています。

具体的には、電子チップ間隔が1.5mmを切るものや、0603、0402といった極小電子チップのコーティングも可能です。よりコンパクトで高密度な基板に対しても、必要な性能を発揮するコーティングを実施します。

シリコーン系樹脂の使用

シリコーン系樹脂の使用

基板と、高さのあるチップ部品の隙間を極限まで埋めるため、安曇川電子工業ではコーティング前に高粘度のシリコーン系樹脂を部品の周辺に塗布しています。このシリコーン系樹脂が基板と部品との隙間を効果的に充填します。

これにより、防湿性、防塵性、絶縁性が向上し、基板の耐久性を高めることができます。

ブラックライトによる検査

ブラックライトによる検査

コーティング後の検査には、ブラックライトを使用しています。ブラックライトは、可視光領域の400nmより短い波長の光(紫外線)を発するライトの総称であり、効果的な検査手段として用いられています。

コーティング液は無色ですが、ブラックライトで照らすと青白く光るため、コーティングの状態を視覚的に確認することができます。

 
 

プリント基板実装、電気機械器具組立の安曇川電子工業|関西・近畿

プリント基板実装、電気機械器具組立の安曇川電子工業

安曇川(あどがわ)電子工業です。プリント基板・部品調達〜基板実装、電気機械器具組立まで、
関西・近畿一拠点で一貫生産体制を整えています。

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基板の製造、量産時の組付けや検査工程の改善 、コーティング(防湿処理)のご相談も、
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プリント基板実装に関して37年(1987年〜)の実績があります。
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