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メタルマスクは、プリント基板の表面実装時に、はんだペーストを基板上の指定位置に印刷するための治具です。
メタルマスクがあることによって、部品が正しい位置に固定されるほか、実装の時間も大幅に短縮されるため、プリント基板製造には欠かせない役割を果たしています。
そこで今回は、メタルマスクが基板製造時にどのように使われているか、また、その役割や扱い方の注意点などについてご紹介します。
目次
プリント基板には、抵抗やコンデンサーなどさまざまな部品が実装されていますが、昔はこれらの部品を手作業ではんだ線を溶かし接着していました。昔は電子機器も大きく、搭載されている基板も大きかったため手作業が可能だったのです。
しかし、現代では電子機器の小型化が進み、それに伴って部品やプリント基板もコンパクトであることが求められるようになったため、はんだは手作業から印刷する方法に変わりました。その工程で必要不可欠なのがメタルマスクなのです。
メタルマスクを用いたはんだ塗布方法は版画と同じ要領で、基板の上に穴のあいたメタルマスクを置き、その上にはんだを流しめば、部品を接着する場所である穴の開いた部分のみにはんだが残ります。
このようにして、メタルマスクがあることで部品実装で欠かせないはんだ塗布が効率よく行われているのです。
ここからは、メタルマスクが表面実装時にどのように使われ、どういった役割を果たすのかをご紹介します。
まずは、セットされたプリント基板に、メタルマスクをパターンに合わせてかぶせます。そして、スキージでクリームはんだを上から押し付け配線板に転写。メタルマスクを外せば、印刷する範囲にははんだが塗られた状態になり、不要な箇所にクリームはんだが残らないというわけです。
その後、実装機械によって電子部品をはんだ上に配置し、リフロー炉で基板に熱を加えると、はんだが溶けて部品が基板に馴染むようになります。リフロー炉出口で冷却すれば、部品が固定され、プリント基板の表面実装が完了です。
このようなメタルマスクを用いた表面実装によって、生産効率や歩留まり率が向上しています。メタルマスクは、近年速いスピードで進んでいる電化製品の小型化と高性能化のためにはなくてはならないものなのです。
メタルマスクは主にステンレス製で、レーザー加工によって、穴があけられています。穴は基板のパターンと同じ位置にあけられています。
この穴が、バリがあるなどして精度が悪いと、部品と基板の接触不良が起こり、不具合が発生してしまいます。その結果、手作業で修正を行わなければならず、工数が増えてしまいます。
また、穴などに問題がなくても、はんだペーストが多過ぎたり、逆に少な過ぎたりすることもあります。これにはメタルマスクの厚さが大きく影響します。適切なはんだペーストの量にするために、使用する部品サイズによってメタルマスクの厚みを概ね100~150μmで調整すると最適なはんだペーストの量になります。
他にも、開口寸法をあえて拡大したり縮小したりと調整することで、基板に塗布されるはんだペースト量を微調整することもあります。
このように、メタルマスクの品質はプリント基板の品質に直結するほか、高密度なプリント基板には、わずかなはんだのズレや浮きが回路全体の致命的な欠陥となるのです。
メタルマスクは、直射日光のあたる場所や高温の元で保管すると、メタルマスクとその周囲についている枠とを接合している接着剤がとれてしまうため、室内の30℃以下の場所で保管しなければなりません。
メタルマスクは、基本的に何度も使用できますが、テンションが弱くなったり傷つけてしまったりした場合は、再度製作する必要があります。
アドガワエレクトロニクスでは、メタルマスクの製作・保管が可能で、リピートで依頼してくださる場合は1年間適切な管理の元保管いたします。
メタルマスク自体は薄いものですが、メタルマスクの枠は厚さ30mmのものが一般的に用いられています。メタルマスクの数が増えてくると収納棚の保管にスペースをとることになるため、アドガワエレクトロニクスでの保管をおすすめします。
アドガワエレクトロニクスは滋賀県高島市を拠点にする会社です。プリント基板・電子部品調達〜基板実装(表面実装、挿入実装)、コーティング、エージング試験、電気機械器具組立まで、関西・近畿一拠点・自社工場で一貫生産体制を整えています。SNSやブログでは、アドガワエレクトロニクスが製造現場で培った技術や品質管理の取り組み、人材育成、最新の業界動向をわかりやすく発信しています。
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