phone0740-32-3333
プリント基板は非常に精密な部品が実装されており、衝撃や水、静電気に弱く壊れる原因もさまざまです。
プリント基板の故障を防ぐためには、プリント基板の製造から表面実装、運搬にいたるまで、壊れる原因を排除することが必要です。
そこで今回は、プリント基板が壊れる原因は何か、また故障を防ぐための工夫について、プリント基板実装の安曇川電子工業がご紹介します。
目次
電子機器の安定した動作を支えるプリント基板ですが、精密であるが故に壊れる原因も多くあります。
プリント基板が壊れる主な原因としては、電子機器の取り扱い方が正しくないことや、プリント基板自体や実装した部品に異常が発生した場合などが考えられます。
プリント基板には何百という数の部品が実装されており、部品の数が多いほど壊れるリスクは高くなります。また、手はんだ付けが多ければ、はんだ付けにバラつきが出てしまうので、それがプリント基板の壊れる原因となってしまうこともあります。
ここからは、具体的にプリント基板がどのような原因で壊れることがあるのかをみていきましょう。
最もよくあるプリント基板の故障の原因として、経年劣化が挙げられます。電子機器を正しく使用していたにも関わらず、急に作動しなくなったり、不調が続いていて遂に動かなくなってしまったりというケースの多くが、プリント基板の劣化が原因だと言えます。
経年劣化というのは、プリント基板自体の故障というよりも、基板に使用されている部品の寿命によるものです。
特に、蓄電池や電源の役割を果たす電解コンデンサなどは経年劣化が著しい部品です。スマートフォンなどの充電が必要な電子機器が、使用に伴って徐々に充電できる容量が減ってくることがありますが、これはコンデンサの劣化によるものです。
しかし、充電をしながら電子機器を起動させないなどの対策で、経年劣化はある程度までは防ぐことが可能です。
プリント基板を搭載した電子機器は非常に精密で、特に、水濡れなどの誤った使用方法があるとショートを起こして壊れてしまいます。
プリント基板がなぜ水に弱いかというと、水に触れて故障するというようりは、水の不純物や基板上のゴミや埃が電流の漏れを引き起こし、最終的にICの動作に異常をきたしてしまうことで故障につながるのです。
そのため、スマートフォンなどを濡れた手で触ったり雨の中通話をしたりすることでも、基板が壊れる原因となってしまいます。
もし水に強い基板が必要な場合は、実装時にコーティングを依頼するほか、ユーザーに誤った使用方法をしないよう伝えていく努力も必要でしょう。
電源が入ったままの状態でプラグを抜くと、過電圧が生じてプリント基板に実装している部品が壊れることがあります。
主にコネクターに繋がっているトランジスタやICといった部品は、許容できる電圧と電流が決まっています。しかし、電源を切らないままで抜き差しすると、プリント基板内部で通常以上の電圧と電流が生じてしまうのです。
許容できるレベルの電圧や電流を受けた際に、抵抗やコンデンサなどの部品はすぐに破損することはありませんが、電圧に弱い部品があることに注意を払って扱わなければなりません。
プリント基板が腐食することが、壊れる原因となることもあります。腐食とは、金属が他の物質と反応して錆びたり形が変わったりすることです。
基板には銅箔のパターンがありますが、長年にわたって湿気に晒されると腐食し、回路に電気が流れなくなってしまいます。
プリント基板の腐食を防ぐためには、ソルダーレジストで基板を湿気や埃から守ることが有効です。また、取り扱い時に湿度の高い環境に放置しないことや素手で触らないといったことも大切です。
プリント基板は静電気にも弱い特性があります。帯電した静電気が放電されるとき、許容以上の電流が回路に流れ、その電流や発生した熱によってICチップなどの部品が壊れてしまうのです。
そのため、プリント基板には、静電気が発生しないような設計、運搬、仕様の前提が必要です。
<お気軽にお問い合わせください>
安曇川電子工業では、プリント基板が壊れる原因を徹底して排除するよう努めております。
そこで、実装作業や部品管理において、どのような取り組みを行っているのかご紹介します。
先ほどお伝えした通り、プリント基板は静電気に弱く、わずかな静電気でも部品が壊れる原因となってしまいます。
そこで安曇川電子工業では、全社員が「静電服」「静電靴」「静電帽子」を身に着けており、工程によっては静電手袋・アースバンドなども着用して作業に臨みます。
また、生産ラインでは、工程を進める中で除電できる「インラインイオナイザー」を設置し、プリント基板の除電と部品の静電気破壊を予防する対策をとっています。
プリント基板は水分が原因で壊れることがあるとお伝えしました。
安曇川電子工業では、プリント基板は湿度が40%以下になる湿度管理室で常時管理しています。
ここには、実装前と実装後のプリント基板やICチップ部品、またお客様からの預かり品も含まれています。
また、部品の中でもさらに湿度に弱い部品は、湿度1~2%で常時管理できるドライボックス内にて保管しています。
半導体(QFP、LEDなど)、プリント基板(フレキシブル基板、FPC基板など)を保管し、錆を発生させることのないよう配慮しています。
部品を実装したプリント基板を、衝撃や静電気から守りながら運搬することも重要な工程です。
ここでは、安曇川電子工業が実践する基板が壊れる原因を排除するための運搬についてご紹介します。
プリント基板を衝撃から守るため、緩衝材に包んでお運びします。
緩衝材というと無色透明なものがほとんどですが、私たちが利用するのは、赤や青、黄色の緩衝材です。これらの色付きのものは、静電気が帯電しない帯電防止加工が施されています。
この緩衝材を用いることで、衝撃だけでなく静電気からもプリント基板を守ることができ、安心・安全な状態でお客様の元に届けることが可能です。
弊社で表面実装を依頼されるお客様の多くは、1回のご注文で5台~200台前後を希望されます。
その場合、ダンボールの中に仕切りを組んだ集合梱包箱で納品します。基板のサイズにあったものを使用することで、運搬時の揺れや衝突が防げ、壊れる原因を事前に失くすことが可能です。
さらにこの納品形態は、お客様が受け取った後、すぐに基板を取り出すのに最も適しており、効率よく次の作業に進んでいただけます。
上の黒い箱は、安曇川電子工業専用の通函箱です。こちらは利用後弊社まで返却していただく必要がありますが、基板のサイズに合わせて内部のレイアウトを自由に変更できるため、新たに梱包箱を作る必要性がなく短期間での納品が可能です。
さらに静電気が発生しても外部に流れていくよう、箱自体にカーボンが練りこまれているので静電気対策も万全です。
この通函箱は容量があるので、ある程度の台数・大きさがあるプリント基板におすすめです。
安曇川電子工業はプリント基板の表面実装 、手挿入部品のフローはんだ、ユニット組立を専門に行う会社です。さまざまな種類の部品を扱ってきた実績と、部品を最適に保管できる環境を整えています。
基板設計者の方が製図した基板の機能を維持しつつ、量産時に不具合やコストアップを招かないよう変更提案を行うVA・VE提案を得意とするほか、基板実装だけでなく、ユニット・制御機器のOEMメーカーとしての実績も多数保有しています。
など、
プリント基板実装に関して25年の実績があり、高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供する安曇川電子工業株式会社へお問合せください。