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「順調だけど…」その違和感が品質を守る。接続助詞「けれど」に見るプロの勘2025.11.25

― 本記事は、2025.8.29に公開した内容に、新たな情報を加えて修正したものです ―

 
こんにちは! アドガワエレクトロニクスの公式ブログへようこそ。いつもブログをご覧いただきまして、ありがとうございます。

 
「スケジュール通りに進んでいる『けれど』、何かが引っかかる」「仕様書通りにできている『けれど』、本当にこれでいいのだろうか」

 
仕事をする中で、ふとそんな言葉が口をついて出たり、心に浮かんだりすることはありませんか?

 

 
仕事が順調な時ほど、なぜか感じる小さな違和感。これを「心配性なだけ」と片付けてしまうのは簡単です。しかし私たちは、その「けれど」という言葉の裏にこそ、トラブルを未然に防ぎ、品質を高める重要なヒントが隠されていると考えています。

 
今回は、私たちが大切にしている「プロフェッショナルの違和感」と、それを成果につなげるための仕事の向き合い方についてお話しします。

 

 
 

本音は「けれど」の後に隠れている

 
私たちは会話の中で、多くの接続助詞を使っています。「〜だから」「〜しても」「〜ながら」。これらは文脈(前後関係)をつなぐ潤滑油のような役割を果たします。その中でも、「けれど(けど・ですが)」という言葉が出てくる時、そこには現状に対する「逆説」や「対比」が含まれています。

・スケジュール通りに進んでいる「けれど」……
・仕様書通りに完成した「けれど」……

 

 
もし、プロジェクトの進行中に「けれど」という言葉が頭をよぎったら、それは要注意のサインかもしれません。「順調に進んでいる」という表向きの事実の裏で、無意識のうちに「何かが引っかかる」「このまま進めても良いのだろうか」という本音が、「けれど」の後に隠れていることが多いからです。

 

 
 

違和感は「邪魔なもの」ではなく「羅針盤」

 
納期が迫った仕事をスピーディーに進めたい時、ふと湧き上がる不安や違和感は、一見すると進行を妨げる「邪魔なもの」に感じるかもしれません。「余計なことを考えずに進めよう」と、感じた不安や違和感に蓋をしてしまいたくなることもあるでしょう。しかし、ものづくりの現場において、この不安や違和感こそが、仕事を狙い通りに成し遂げるうえで欠かせない「羅針盤」になります。

 

 
例えば、こんな思考の流れがあったとします。

仕事は時間通り進んでいる『けれど』、量産時の品質に少し不安が残る ……

 

 
ここで「けれど」の先にある不安を無視して進めれば、後々大きなトラブルになるかもしれません。しかし、不安や違和感を感じた時点で、その不安や違和感の原因に向き合うことで、次のようなポジティブなアクションへ転換できます。

……『だからこそ』、今の段階で製造現場と対話を重ねよう。想定される不具合を洗い出し、品質への不安を潰しておこう

 
「けれど」に続く本心は、自分が今、本当は何を求めているのか、プロジェクトに何が足りていないのかを教えてくれるのです。

 

 
 

過去の失敗と経験が「プロの勘」を磨く

 
なぜ、私たちは順調な時ほど「けれど」と感じるのでしょうか? それは単なる気まぐれではなく、過去の失敗体験や、味わった悔しさといった苦い経験を経て磨き上げられた「感性」が警告を発しているからです。

 
「あの時も似たような状況で失敗した」「このパターンは後で修正が大変だった」―。そうした経験(蓄積されたデータ)が、言語化できない直感となって現れます。

 

 
こうした個人の直感や感覚(暗黙知)を言語化し、社内で共有するプロセスが表出化です。表出化 → 連結化 → 内面化 → 共同化 → 表出化 …… というように、個人の直感や感覚(暗黙知)を形式知にして組織で共有することで、組織全体の既存の価値観を、市場や顧客の需要に応じて更新していきます。

 

 
これこそが、プロフェッショナルならではのリスク管理能力と言えるのではないでしょうか。

 
 

「けれど」を乗り越え、「し」で終わる仕事へ

 
違和感と向き合い、しかるべき対策を講じた後、その言葉は自信に変わります。

 
・「仕事は時間通り進んでいる『けれど』、不安がある

・「仕事は時間通り進んでいる『し』、現場連携も強化して品質管理も万全だ」

 
「けれど」という逆説を乗り越え、肯定の接続助詞で締めくくれる状態にまで仕事を持っていくこと。それが私たちアドガワエレクトロニクスの目指す仕事のあり方です。

 

 
アドガワエレクトロニクスでは、日々の業務の中で感じる小さな「違和感」を決して知らんぷりせず、品質へのこだわりとして大切に育てています。お客様に安心して仕事を任せていただくために、確かな品質の製品をお届けするために、今日も私たちは「けれど」の先にある本心と向き合っています。

 
 

小さな「違和感」を、確かな「信頼」に変えるために

 
機械やAIがいかに進化しても、現場の空気を読み、状況(前後関係、コンテキスト)の裏にあるリスクを察知するのは、結局のところ「人の感性」です。

順調だけど、あの工程が気になる ―

 

 
そんな従業員の小さなつぶやきを、私たちは決して聞き流しません。その違和感をチーム全体で共有し、議論し、対策を講じる。その泥臭いプロセスの積み重ねだけが、「アドガワエレクトロニクスになら安心して仕事を任せられる」という信頼を作ると信じているからです。

 

 
個人が感じる違和感を知らんぷりせず、誠実に向き合い続けること。私たちはこれからも、数字だけでは測れない「安心」という品質を製品とともにお届けします。ものづくりにおける課題解決や品質管理への取り組みについて、何かお困りのことがあれば、ぜひ私たちにご相談ください。

お問い合わせ
https://www.adogawa.co.jp/inquiry/

 
また、こうした「感性」を大切にする現場で共に働きたいという方からのご連絡も、心よりお待ちしています。

 
 
 

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プリント基板の表面実装・挿入実装、電気機械器具組立のアドガワエレクトロニクス|関西・近畿・滋賀

 
アドガワエレクトロニクスは滋賀県高島市を拠点にする会社です。プリント基板・電子部品調達〜基板実装(表面実装、挿入実装)、コーティング、エージング試験、電気機械器具組立まで、関西・近畿一拠点・自社工場で一貫生産体制を整えています。SNSやブログでは、アドガワエレクトロニクスが製造現場で培った技術や品質管理の取り組み、人材育成、最新の業界動向をわかりやすく発信しています。

 
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