phone0740-32-3333

こんにちは。アドガワエレクトロニクスの公式ブログへようこそ。
「何度対策しても同じ不具合が繰り返される」「原因究明を行っても表面的な対策で終わってしまう」— 。問題解決の精度を上げるには、現象そのものを見つめるだけでなく「問いの立て方」を変えるアプローチが有効です。
以下の記事では、身近なドローン点検の事例から、プリント基板実装現場で実践している「時間軸と関係軸をずらす問いの立て方」まで、真の原因を特定するための視点の変え方を解説します。
週末の朝刊には、新築マンションや戸建てのオープンハウス、バリアフリー設計のリノベーション相談会など、不動産のチラシが目立ちます。その中に、興味深い取り組みがありました。戸建て住宅の屋根から外壁までをドローン(模型航空機)で点検し、状態を可視化するサービスです。

築10年以上の住宅を対象に、瓦の割れや雨樋のずれを高画質カメラで撮影します。さらに赤外線カメラを使い、屋根や壁面の温度差を色の濃淡で表現します。これにより、目視では気づきにくい漏水や断熱材の劣化兆候を早期に発見し、適切な修繕計画を提案します。

このサービスは、住宅の老朽化が進む地域の課題に対応しています。高島市の住宅の築年数(建築時期)に関する統計データ(※)では、築10年以上の住宅が占める割合は全体の90%を超えています
※ 総務省「令和5年住宅・土地統計調査」の市区町村別データを基に算出(高島市の持ち家・借家を含めた建築時期別住宅数より)
問題を解決に導くには、つまり問題を解決するサービス(ビジネス)を提案するには、「問い」のつくり方(たて方)を知ることが大切です。有効な方法の一つが、視点を「ずらす」ことです。
ドローンを使った先の住宅点検サービスは、2つの視点をずらして問いをつくり、課題解決につなげています。
▼ 位置をずらす
地上からの目視 → 上空からの視点へ変更
▼ 着眼点をずらす
表面上の傷や変色 → 壁面の温度差へ変更
見る角度や着眼点を変えることで新たな問いが生まれ、これまで見落としていた課題を明確にできます。

私たちが携わるプリント基板の実装現場でも、問いの角度を変えて真の原因を突き止めるアプローチを実践しています。具体的には、2つの論点(時間軸・関係軸)で問いを深めます。
問題が発生した瞬間だけでなく、過去や未来に時間をずらして考えます。
▼ 過去へ ずらす問い
▽ リフロー炉を出た後に『はんだブリッジ(回路の短絡)』が発生した。マウント工程だけでなく、前工程のクリームはんだ印刷時の状態や、基板の保管環境は正常だったか?
▽ 不具合が発生する前の、順調に作業できていた時期はどんな状態だったか?
→ 得られる効果
過去の正常な状態と現在の異常状態の差分を比べることで、真の原因を見つけやすくなります。

▼ 未来へ ずらす問い
▽ この不具合傾向を放置して1ヶ月経過した場合、後工程の検査工数や出荷後の不具合リスクはどう変化するか?
→ 得られる効果
放置による損害(余計な手直し時間や費用)を認識し、対策の優先度を正しく判断できます。
問題を抱えている工程単体ではなく、周囲の立場に視点を移して観察します。
▼ 前後工程へ ずらす問い
▽ 表面実装(SMT)工程で起きているこの現象は、前工程の基板設計者や、後工程で挿入部品を実装する作業者にはどう見えているか?
→ 得られる効果
立場を変えることで、単一の工程内では問題なく見える作業や基板の状態が、前工程の設計・準備不備から起因している可能性や、後工程での挿入作業・手はんだ付けに負担をかけている事実に気づけます。

後工程(挿入作業や手はんだ付け)に生じる「負担」は、作業者の作業性の低下・心理的ストレス・手直しの工数増加を指します。
▼ 挿入作業(手挿入)の物理的な作業負荷
▽ 近接部品との干渉回避に神経を使う
SMT部品がスルーホールの近くに実装されている場合、作業者の指やピンセットが隣のチップ部品に触れそうになります。部品の破損を防ぐために慎重な動きを求められ、作業スピードが落ちます。
▽ 部品の差し込みに余計な力が必要になる
穴径の余裕不足や、リフロー工程で穴の周囲へ余分なはんだが流れ込んでいる場合、リード線がスムーズに入りません。無理に押し込むことで作業者の指先に負荷がかかり、基板の破損やリード線を折り曲げてしまう原因になります。
▼ 手はんだ付け作業の修正と熱影響の負荷
▽ 熱が逃げてはんだが溶けない(加熱時間の増加)
パターン設計で熱の逃げを防ぐ「サーマルリリーフ(放熱パターン)」が設定されていない場合、コテ先の熱が基板全体へ逃げます。はんだを溶かすために長時間コテを当てる必要が生じ、作業時間が増えるとともに基板や部品を加熱損傷するリスクが高まります。
▽ コテ先の接触リスクと追加の手直し
SMT部品が高密度に配置された場所での手はんだ付けは、コテ先が隣の樹脂パーツやチップ部品に接触する危険が生じます。またはんだの濡れ性が悪い場合はフラックスを追加塗布して再加熱するなど、修正の手間が増加します。
立場が変われば、問題の様相は違って見えてくるものです。時間軸や関係軸をずらして問いかけることで、自分自身もチームも隠れた根本原因に気づけます。日々の改善活動では、問いに真正面から向かうだけでなく、問いを「ずらす」視点が、より確かな品質づくりにつながります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
私たちが教育研修や環境改善の発信を続けるのは、それらがすべて「お客様へお届けする製品の安定性」に直結すると考えているからです。一見、製造とは直接関係のないように見える日々の対話や5S活動のひとつひとつが不具合を防ぎ、納期を守り、そして付加価値の高い提案を生む土壌となります。
「モノづくりから、ものがたりへ」。お客様の大切な設計思想を形にするパートナーとして、私たちはこれからも現場の「人」と「技術」を磨き続けてまいります。実装に関するお悩みや、具体的な改善事例をお探しの方は、ぜひお気軽に「技術ハンドブック」のダウンロード、またはお問い合わせフォームよりご相談ください。
・試作から量産への移行でトラブルが多い
・委託先(基板実装会社)との意思疎通に時間がかかる
その結果、製造コストが膨らむ
アドガワエレクトロニクスがまとめた「技術ハンドブック」には、基板設計・実装におけるコストダウン事例や品質向上のノウハウを多数掲載。量産を前提とした試作の進め方や、VE提案による改善事例もご紹介しています。
・量産時の失敗コストを削減
・製品価値を高める改善提案のヒントを獲得
・基板実装 委託先選定の判断材料 といった実践的な事例を掲載しています。
技術ハンドブックを、製品開発の加速とコスト競争力強化に、ぜひお役立てください。ダウンロードは、⇒ 特設サイトから
関西・近畿を拠点に、プリント基板・電子部品調達〜基板実装(表面実装〔SMT〕、挿入実装〔THT〕)、コーティング、エージング試験、電気機械器具組立までを一貫提案するアドガワエレクトロニクスです。
このブログでは、「モノづくりから、ものがたりへ」をコンセプトに、製造工程における「技術」と「人」にフォーカスします。品質教育やベテランから若手への技術承継、そして私たちの日常と社内文化をお届けします。
⇒ 会社概要 :
https://www.adogawa.co.jp/company/
⇒ 表面実装サービス紹介 :
https://www.adogawa.co.jp/mounting/serface/
⇒ 最新記事一覧 :
https://www.adogawa.co.jp/blog
⇒ お問い合わせ :
https://www.adogawa.co.jp/inquiry/
当社の雰囲気、社内文化をより身近に感じていただけるよう、ソーシャルメディアでも日々の様子を発信しています。よろしければ、私たちの日常を少しだけ覗いてみてください。
日々の取り組みを取材し、発信していて強く感じるのは、「顧客満足(CS)」を語る前に、「従業員満足(ES)」が不可欠であるということです。

従業員が自分の仕事に誇りとやりがいを持って働いてはじめて、高品質な製品・サービスが生まれ、結果として顧客満足につながります。

担当者から御社に最適なご提案をさせていただきます。
