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こんにちは。アドガワエレクトロニクスの公式ブログへようこそ
車を運転していて、前を走る車がウインカー(方向指示器)を出さずに突然右左折し、ヒヤリとした経験はありませんか?
個人の交通マナーとして片付けられがちなこの現象ですが、その根本原因を突き詰めると、実は製造現場における「ルールの形骸化」や「手抜きの常態化」と全く同じ心理構造が見えてきます。
本記事では、ウインカーを出さない心理を「ハインリッヒの法則」から客観的に分析し、人間が必ず陥る「慣れ」の恐怖と、それを防ぐために当社が実践している「QCパトロール(現場巡視)の本質」について解説します。

目次
豊かな自然に囲まれた高島市に拠点を置く当社ですが、市内周辺も含め、電車やバスの路線、本数が限られています。そのため、自家用車が必須の移動手段であり、当社の従業員も大半が車通勤です。

市内の見通しの良い道路(歩道)を歩いていると、時折「ウインカー(方向指示器)を出さない、または車線変更や右左折の直前に出す車」を見かけることがあります。

日本自動車連盟(JAF)が実施した「交通マナーに関するアンケート」においては、「ウインカーの使用状況には地域差がある」ことが示されています。ただ、これは単なる個人のモラル(交通マナー)の問題にとどまらず、「環境」が人間の心理に与える影響の表れとも捉えられます。

交差点での右左折時に、対向車や歩行者と遭遇する絶対数が少ない環境に慣れると、人間の脳は本来必要な「周囲への意思表示(ウインカーの使用)」を無駄なコストと判断し、無意識に合図を省略し始めます。
これが習慣化すると、実際に車や歩行者がいる場面でも「直前まで出さない(出し忘れる)」という自動化されたエラーに繋がります。つまり、「他者の目」が少ない環境が、安全行動のステップを省略させてしまうのです。
実はこの現象、安全管理における指標である「ハインリッヒの法則」と同じ構造を持っています。
ハインリッヒの法則では、1件の重大災害(死亡・重傷)の裏には、29件の軽傷事故があり、さらにその裏には300件の「ヒヤリハット(無傷の不安全行動・不安全状態)」が存在するとされています。「ウインカーを出さないこと」や「現場での作業の省略」は、まさにこの土台となる「300件の不安全行動」そのものです。

人は「やらなくても問題が起きなかった」という“擬似”成功体験を繰り返すと、手間を省くようになります。製造現場においても、指差呼称や検査手順を省いて「たまたま不具合が起きなかった」という状態が続くと、ルール自体の形骸化が加速します。事故という結果に直結しない「たまたま助かっている300件」が水面下で増殖することこそが、最も危険な兆候なのです。

もちろん、私自身も、当社も例外ではありません。過去には、日々の作業から生じた「慣れ」や「横着」にヒヤリとした経験があります。「自分たちは大丈夫」という根拠のない過信こそが最大の盲点であることを、私たちは失敗から学んできました。


だからこそ、当社では人の「慣れ」や「環境への最適化」をリセットし、この300件の不安全行動を未然に摘み取るための、180日ごとの(6ヶ月ごとの)QCパトロール(現場巡視)を不可欠なものとしています。

QCパトロールは、定期的に「歪んだ鏡を真っ直ぐに直す作業」です。毎日同じ鏡(自分の現場)を見ていると、少しずつ鏡が傾いて(ルールが緩んで)いっても、目が慣れて異変に気付けません。パトロールという「外部の正確な定規」を当てることで初めて、「いつの間にかルールから逸脱していた」と客観的に自覚できるのです。

さらに言えば、このQCパトロール自体も「慣れ」によって形骸化するリスクを孕んでいます。

そのため当社では、巡視員のローテーションや、外部視点の積極的な導入など、「チェック機能そのものが錆びつかないための仕組み」も同時に更新し続けています。


「人は環境に慣れると楽をしようと手順を省く」という前提に立ち、それを個人の意識に頼るのではなく「仕組み」で防ぐ。これこそが、当社の品質を守るQCパトロールの本質です。


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