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こんにちは。アドガワエレクトロニクスの公式ブログへようこそ。
基板実装やユニット組立の委託先選定で、設備一覧やISO認証といった「数値指標」だけで判断していませんか? 本当に重要なのは、トラブルを未然に防ぐ「現場の思考プロセスの深さ」です。
本記事では、6月前半にソーシャルメディアで発信した改善活動や品質教育をダイジェスト形式でまとめました。工場視察で顧客が不信を抱く「5S不徹底のメカニズム」から、プリント基板の「ICT検査とトレーサビリティ」、製造現場でQRコードの「誤り訂正レベルQ」を推奨する理由まで。単なる作業の記録ではなく、私たちが何を考え、どのように品質の維持・向上へ取り組んでいるのか、その舞台裏をご紹介します。

目次
基板実装・電気機械器具組立のアドガワエレクトロニクス
@adogawa_e
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6月1日
朝刊の折り込みチラシで、世間が垣間見えることもあります。マンション販売のチラシはその一つで、他と比べると紙厚で、詩的なキャッチコピー「マンションポエム」が印象的です。チラシは手元に情報が残るため、家族で検討しやすいですが、新聞購読者の減少でポスティングと併用される場合が増えています。
また、家電量販店のチラシも、頻繁に折り込まれます。夏を迎える前とあってこの時期のチラシの表面(ツカミの面)には、エアコンが特集されることが多いです。商品写真の近くには誘目性のあるフォントや文字色で「省エネ基準の厳格化 2027年問題」とあります。

家庭用エアコンの消費電力量を14%〜35%ほど抑えた省エネ基準(経済産業省)が定められ、一部の低価格帯モデルが今後、削減される可能性があります。省エネ基準を満たすモデルは、熱交換器に用いるアルミや銅の使用量が増え、さらに銅価格高騰の影響で、本体価格はおおむね1〜2割高くなるもよう。

省エネ基準の見直しを始め、政策やルールといった自社の事業を取り巻く外部環境の変化が将来、自社の事業にどのような影響を与えるかを把握、予測するためのフレームワークにPEST(政治・経済・社会・技術)分析があります。家電製品と関わりが深い基板実装事業においても、欠かせない視点です。


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6月2日
製造部の朝礼に伺うと、「感謝の反対は?」という問いかけがされていました。メンバーからは、感謝の反対は「無視」ではないか、という回答があがっています。確かに、存在を認めない「無視」も反対語の一つですが、「感謝」の語源から深堀りすると、別の答えも見えてきます。
「感謝」を伝える言葉は「ありがとう」です。漢字だと「有難う」で、「有ることが難しい」「めったにない」という意味です。そうすると、反対は「あって当然」「あたりまえ」です。
私たちの現場では、資材の運搬に手を貸したり、後工程のひと手間を減らすために製品の向きや間隔を統一したり、日常的に気配りが交わされています。

受けた気配りへの感謝を、言葉で相手に伝えることは素晴らしいことです。しかし、その気配りを「あって当然(あたりまえ)」と錯覚すると、それがなかったときには、相手への期待が「なぜ、しないのか」という不満へ変わってしまいます。

お互いの気配りを当然と思わず感謝し続ける鍵は、「相手の行動は義務ではない」と捉える客観的な視点です。もらった手助けにその場で「ありがとう」と言葉を返すやり取りが、職場の自然な習慣になると素敵です。声を掛け合う小さな積み重ねが、お互いを認め合う組織風土を育てることにつながります。

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6月3日
LED(発光ダイオード、Light Emitting Diode)は、電気信号を光に変える電子部品(半導体デバイス)です。電力を効率的に光に変換できるため、現在の照明の主役です。写真は、LEDチップを基板に搭載(COB、チップオンボード)して樹脂で覆った製品です。378個(1mあたり)の高密度LEDで、ムラなく均一に発光するのが特長です。

半導体は、電気抵抗をもつ物質を指します。電気を通す金や銅などは「導体」、電気を通さないゴムやガラスなどは「絶縁体」です。この導体と絶縁体の中間的な電気の通しやすさ(電気抵抗)をもつ物質が半導体で、シリコン(ケイ素)やゲルマニウムなどがあたります。
一方で、ニュースや新聞で紹介される「半導体」は、半導体物質で作られたLEDのような電子部品(半導体デバイス)を指すことが多くなっています。データを記録するフラッシュメモリや光を電気信号に変換するイメージセンサーなど、半導体といってもさまざまな種類があります。
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6月4日
今月は日々の業務に加えて、製造工程に従事する機会が増えています。担当する工程の一つが、電子部品を実装したプリント回路板(PCB、Printed Circuit Board)の不良を、電気的に検出するICT(インサーキットテスタ)検査です。


ICT検査では、プリント回路板(基板)に微小な測定信号(電圧・電流)を印加し、実装された電子部品(抵抗器・コンデンサなど)の定数やダイオード特性を測定します。これにより、電子部品と基板の接続信頼性、実装基板の良否を判定します。

製造現場において、製造(検査)情報の記録と個体識別を行うことは、トレーサビリティ(追跡可能性)の基本です。追跡可能性を実現するための識別手段として、二次元コード(データマトリックス)を導入しています。今回の検査対象基板のように、スペースが限られる場合には、長方形タイプを活用します。


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6月5日
危険予知活動やヒューマンエラー回避に有効な「指差し呼称」は、製造工程だけでなく、PCでの入力間違いやメールのファイル添付忘れ防止にも効果的です。

なぜなら、指を差し、声に出す(意識する)という身体動作を伴うことで、注意の対象が明確になるからです。

ただの目視(惰性)に比べて「確認したという事実」がエピソード記憶として強く残ります。たとえば外出の際の施錠です。指差し呼称を施錠時に取り入れることで、時間が経ってから「鍵を閉めたっけ?」という不安に陥るのも防げます。また鉄道では、指差し呼称が日常的に行われています。
電車の先頭車両やホームで、運転士や車掌が計器や信号を指差し、「◯◯、ヨシ!」と確認する姿が見られます。鉄道総合技術研究所が実施した実験では、指差し呼称を行うことで、ボタンの押し間違い(エラー率)が「何もしない場合」に比べて約6分の1にまで減少するというデータが証明されています。
人がいる場所では声を出さずに指差し動作だけの「指差し確認」にするなど、方法を調整すれば日常生活にも違和感なく取り入れられます。確認の精度を上げ、後から実施したかどうかの不安を解消する手段として、「指差し呼称」「指差し確認」は有効なアプローチです。

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6月8日
工場の5Sが徹底されていないと、お客様に品質への不安を与えることがあります。

なぜなら、お客様は視察時に目にする、お客様自身の基準に照らし合わせた「現場の乱れ」という事実から、企業の管理体制、従業員の意識、さらには納品される自社製品の品質までを、地続きのものとして捉えるからです。

お客様が工場視察時に認識する要素は、1つの「客観的事実」と、そこから連鎖する2つの「主観的推測」に分解できます。

(1)客観的事実
基準に照らし合わせた現場環境の乱れ
(2)一次推測
組織の、無関心の常態化
(3)二次推測
製品品質への波及
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(1)現場環境の乱れ
社内が汚れており、整理整頓がなされていないという、お客様が視察時に直接目にする物理的な状態

(2)組織の、無関心の常態化
現状に対して、経営層から現場の従業員に至るまで誰も疑問を持たず、問題が放置されて当たり前になっているという組織風土・管理体制への疑念
(3)製品品質への波及
「5Sの程度と品質管理の精度は比例する」という前提で、この企業に依頼した場合、自社の製品も雑に扱われ、品質不良を引き起こすのではという懸念

5Sの不徹底は美観の問題に留まりません。お客様にとっては、企業の信頼性と品質そのものを疑わせる証拠として捉えられます。
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6月8日
パソコンの画面が映らず、ファンだけが勢いよく回るというトラブルが発生しました。コンセントを抜いて放電し、メモリの挿し直しやファンとヒートシンク(冷却フィン)の清掃をすると、正常に起動しました。

製造現場の設備と同様、壊れてから対処する事後保全ではなく、予防保全や今回のような不具合の兆候を察知した予知保全(予兆保全)を意識したいです。
パソコン内部には、主要な部品を繋ぐプリント基板が組み込まれており、その表面には1mm以下の電子部品が無数にはんだ付けされています。

ホコリが堆積すると、下記のような不具合を引き起こすことがあります。▼ ホコリが湿気を吸うことで基板上にリーク電流が発生し、電気信号を乱したり、▼ ホコリが排熱を妨げて熱がこもり、部品の一時的な認識エラーを引き起こしたりします。さらに、▼ ホコリは静電気を蓄積させる原因にもなります。
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6月9日
「便利になったな」で済ませるか、「どんな仕組みかな」と調べてみるか。「なぜ?」を追求し、仕組みを面白がる心がどんな仕事にも、さらには日々を楽しむためにも大切です。
例えば、アパレルチェーンで見かけるセルフレジ。商品を指定の場所に置くだけで一瞬で合計金額が表示されるのは、「RFID(無線周波数識別)」という技術が使われているからです。

従来のバーコードは1点ずつスキャンする必要がありますが、RFIDなら電波を使ってまとめて処理できます。

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6月11日
スーパーやコンビニの冷凍食品売り場に立ち寄ると、メーカーが企画・製造する「ナショナルブランド(NB)」や小売店が企画し、自社店舗のみで販売する「プライベートブランド(PB)」が並んでいます。冷凍食品のイメージは、「手抜き」から「手間抜き」に変わり、私もよく利用します。
ガラス扉のショーケース(リーチイン)をのぞくと、派生商品を含めて年代や性別など多様な好みに応じた商品の充実ぶりに気づきます。特定層の需要を満たす「スモールマス」市場を狙った展開です。たとえば冷凍餃子では、にんにく不使用や生姜風味、大きさが通常の1.5倍のサイズなど、好みに合わせて選べる商品が揃っています。
豊富な選択肢は消費者にとって大きな魅力です。一方で、製造側の視点に立つと、消費者の多様なニーズに応えるためには、大量生産(マス市場)だけでなく「小ロット生産」への対応が欠かせません。

小ロットにも対応できるラインを構築するには「生産計画の精度」が求められます。

ものづくり白書でも指摘される通り、多くの製造業でデジタル化の遅れが目立っています。それは生産計画にも当てはまります。

計画立案プロセスが「見える化」しにくく、ライン切り替えや人員配置の最適化が困難なため、結果として今なお熟練者の勘や経験に頼る属人化が業界全体の共通課題となっている実態があります。
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6月11日
失敗の原因を推測し、仮説を立てて公表、発信する企業の姿勢は非常に参考になります。例えば、イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業スペースXです。同社は、私たちの生活にも衛星通信サービス「スターリンク」で馴染みがあり、そのオープンな開発姿勢がビジネスの場でも注目を集めています。

同社の大型ロケット「スターシップ」は、試験飛行で幾度か爆発を伴う失敗を経験していますが、そのデータを即座に公開し、機体改良へ確実に反映させています。この「試行錯誤の可視化」と「改善による成功の実績」という一連の因果関係こそが、開発プロセスの信頼性を実証する根拠です。
失敗からどのように成功まで歩むかという「成長の軌跡」を顧客へ、社内へ共有する企業には、単なる成功という結果論を超えた魅力があります。不確実な情報を隠さず、プロセスをオープンにする姿勢にこそ、その企業ならではの明確な意志、そして他社には真似できない真の強みが見えます。
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6月12日
JR東日本がQR切符を2027年から順次導入します。駅の自動券売機で販売する近距離乗車券は現在、裏面に情報記録用の「磁気層」がある磁気乗車券で、自動改札機に投入して利用します。それがQRコードが印字された切符になると、自動改札機のリーダーにかざすことになります。
QR切符のサイズは、改札機のリーダーへのかざしやすさを考慮して、新幹線の切符と同じ85ミリ券(57.5mm x 85mm)を採用するとのこと。手元にある映画のチケット(約 56mm x 79mm)と同じぐらいのサイズで、現在の磁気乗車券のエドモンソン券サイズ(30mm x 57.5mm)よりも大きいです。

製造現場でもQRコードは、製品のトレーサビリティ(追跡可能性)に利用しています。QRコードは「誤り訂正機能」を備えているのが特長で、コードの一部が汚れたり、欠損したりしてもデータが読み取れます。製造現場でQRコードを利用する際は、「誤り訂正レベル」を意識しています。
QRコードの汚れや印字の擦れを想定して、製造現場で推奨される誤り訂正レベルは、「レベルQ(Quartile)」です。コードが約25%損傷しても格納したデータを読み取れます。一方で、同じサイズの場合、訂正能力(レベル)が高いほど、格納できるデータ量は少なくなります。
最後までお読みいただきありがとうございます。
私たちが教育研修や環境改善の発信を続けるのは、それらがすべて「お客様へお届けする製品の安定性」に直結すると考えているからです。一見、製造とは直接関係のないように見える日々の対話や5S活動のひとつひとつが不具合を防ぎ、納期を守り、そして付加価値の高い提案を生む土壌となります。
「モノづくりから、ものがたりへ」。お客様の大切な設計思想を形にするパートナーとして、私たちはこれからも現場の「人」と「技術」を磨き続けてまいります。実装に関するお悩みや、具体的な改善事例をお探しの方は、ぜひお気軽に「技術ハンドブック」のダウンロード、またはお問い合わせフォームよりご相談ください。
・試作から量産への移行でトラブルが多い
・委託先(基板実装会社)との意思疎通に時間がかかる
その結果、製造コストが膨らむ
アドガワエレクトロニクスがまとめた「技術ハンドブック」には、基板設計・実装におけるコストダウン事例や品質向上のノウハウを多数掲載。量産を前提とした試作の進め方や、VE提案による改善事例もご紹介しています。
・量産時の失敗コストを削減
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関西・近畿を拠点に、プリント基板・電子部品調達〜基板実装(表面実装〔SMT〕、挿入実装〔THT〕)、コーティング、エージング試験、電気機械器具組立までを一貫提案するアドガワエレクトロニクスです。
このブログでは、「モノづくりから、ものがたりへ」をコンセプトに、製造工程における「技術」と「人」にフォーカスします。品質教育やベテランから若手への技術承継、そして私たちの日常と社内文化をお届けします。
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