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目次
プリント配線板(PWB=printed wiring board)に電子部品が実装され、いよいよ電子回路として動き出すプリント回路板(PCB=printed circuit board、以降「プリント基板」)。しかし、製品として出荷される前に、避けて通れない重要な工程があります。それが、プリント基板の「分割」です。

この分割作業のなかでも、品質を最優先されるお客さまに強く求められる基板分割機(ルーターカッター)と、その性能を最大限に引き出す専用治具(じぐ)の役割、重要性を解説します。

生産効率を高めるために小さな基板は通常、1枚の大きなシートに複数並べられた状態(面付け)で部品を実装します。


実装完了後、これらの基板を1枚ずつ丁寧に切り離すのが、基板分割機(ルーターカッター)の役割です。


ルーターカッターは、高速回転するルータービットで基板同士の接続部を削り落として分割します。Vカット方式と比べて、ルーターカッターが選ばれるメリットがあります。
基板の表面にV字の溝を入れて手で割る、またはV字の溝にカッターの刃を走らせる「Vカット方式」と比べ、分割時の反りやねじれによる基板への負荷を低減できます。

直線的なカットに限定されるVカット方式に対し、ルーターカッターは曲線カットが可能です。円形基板を始め、複雑な形状の基板分割にも対応できる汎用性の高さが特長です。
高性能なルーターカッターをもってしても、分割後の基板品質を安定させるためには専用の治具が不可欠です。

治具とは、部品や工具、そしてプリント基板がずれないように誘導・固定する補助工具のことです。

ルーターカット時の治具の機能は、ルーターカッターでの作業中に基板が動かない(ズレない)ように固定することです。
基板の位置をミリ単位で正確に定め、ルータービットで削るための最適な状態を作ります。
高速で回転するルータービットが基板を削る際、基板が浮き上がったり、わずかにズレたりするのを確実に抑え込みます。


治具を導入することで、作業者による精度のバラツキを防ぎ、常に安定した品質を保ちながら、作業の速度と効率を向上させることができます。
ルーターカットに用いる治具は、分割する基板の形状や仕様に合わせて一つひとつ設計・制作する必要があります。アドガワエレクトロニクスでは、この極めて重要なルーターカット用治具の設計・制作を自社内で一貫して行う(内製化)体制を構築しています。
基板の設計変更(アートワークの変更)が生じた場合でも、外部業者への依頼プロセスを省き、迅速に治具の設計改良を行うことができます。手戻りの時間を最小限に抑え、開発スピードを加速させます。

治具設計の知見を内製化することで、治具そのものの品質向上につながり、それが作業者の使いやすさ(切り替え時間の短縮)に直結します。さらに迅速な対応力は、お客さまへの納品までのリードタイム短縮という具体的な提案にもつながります。

試作段階での治具の調整を迅速かつ柔軟に行えるため、開発コストの抑制に貢献します。また、量産後も継続的な改善やコスト圧縮を自社内で行うことが可能です。
関連情報
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・部分塗布で失敗しないための治具設計とコーティング処理の実務ポイント | アドガワエレクトロニクス株式会社
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本記事では、高精度なカットを実現するルーターカッターの優位性と、品質を維持するのに不可欠な専用治具の役割を解説しました。
ルーターカッターは、基板分割時の反りやねじれといった負荷を抑え、曲線を含む複雑な基板形状に対応できる汎用性の高さが特長です。そして、この高性能を確実に成果につなげるのが、浮き上がり・ズレを抑制する専用治具の存在です。
基板の設計変更にも迅速に対応し、開発スピードを加速。
治具内製化の知見に基づき、品質向上とリードタイム短縮を実現。
試作段階から量産後まで、継続的な改良(カイゼン)でコスト抑制に貢献。
高品質な電子製品の実現には、高精度な基板分割技術が不可欠です。アドガワエレクトロニクスは、ルーターカッターの運用と治具の内製化という確固たる強みで、お客さまの製品価値の最大化をサポートいたします。
ルーターカット用治具の内製化に関するご質問や、お客さまの製品に合わせた最適な基板分割方法についてのご相談など、お手伝いできることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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