phone0740-32-3333
こんにちは。アドガワエレクトロニクス(旧:安曇川電子工業)です。ブログをご覧いただきましてありがとうございます。
企業の看板である社名を変える動きが広がっています。当社名もアドガワエレクトロニクスへ、安曇川電子工業から5月に変更しました。
当社の主力事業であるプリント基板への電子部品実装(搭載)、電気機械器具組立を取り巻く環境は変化が大きく、かつ変化の速度も早いです。その環境下でいかに自社の中核能力を顧客に説明し、実証できるか―。社名を変えることは社内外に意識の刷新を訴求したり、従業員の士気向上を図ったりする狙いがあります。
一方で、50年余り掲げてきた社名「安曇川電子工業」を変えることで業界での存在感が薄れたり、同業他社の間に埋没しかねないという懸念もあります。
この記事では他社の社名変更の事例をその理由とともに取り上げながら、当社の社名変更における目的と、その目的を叶えるために欠かせない社内外とのコミュニケーションをいかに設計していくかを紹介します。
社名変更はゴールではなく、企業が変化、進化を続けるための入口です。新しい社名を介して企業理念を示し、顧客や取引先、従業員とのコミュニケーションを深めながら時代や市場の変化に適応していく。利害関係者に「自社をどう見せたいか」というマーケティングの軸をはっきりさせたうえで、社内外とのコミュニケーションをいかに設計していくかが大切です。
この連続、継続が顧客や取引先、従業員のなかに自社の企業ブランドを確立させ、ブランドをより強固なものへと高めるために欠かせません。マーケティングは、他社に自社を「どう見せたいか」、ブランドは、他社から自社が「どう見られているか」です。
企業のブランドを構成する要素は3つあります。
(1)経営理念や志(こころざし)、それを体現する従業員
→ コーポレート・アイデンティティ(CI、Corporate Identity)
(2)商品、サービスの機能、品質、コスト
→ プロダクト・アイデンティティ(PI、Product Identity)
(3)企業ロゴや店舗、広告などの企業デザイン
→ ビジュアル・アイデンティティ(VI、Visual Identity)
企業のブランドは、上記3つから成っています。そして、これらが顧客や取引先、従業員などの利害関係者のなかで類似的(または共通、統一的)なイメージに収まり、深まっていく過程を通じて企業のブランドは形成されます。企業ブランドの構築、進化には継続的な努力、まねごとではない言葉と知恵、時間が必要なことが分かります。
目次
社名(商号)変更を行った上場会社は2005年以降の20年間で939社に上ります(日本取引所グループ[JPX、Japan Exchange Group] 、2025年7月1日現在)。2025年に限れば、7月1日時点で47社が社名を変えています。そのなかには、NTT(旧:日本電信電話)、ひとまいる(旧:カクヤスグループ)があります。
社名を約940社が、2005年以降の20年間に変えるなかで、その変更理由は大きく4つに分けられます。
(1)組織変革
(2)製品、サービス主導
(3)業態転換
(4)そのほか
(1)組織変革
経営統合や合併・買収(M&A)などに際して社名を変える組織変革型は想像しやすく、過去には阪急阪神ホールディングス(旧:阪急ホールディングス)、マシニングセンタやターニングセンタなどの工作機械製造会社のDMG森精機(旧:森精機製作所)といった例が挙げられます。
(2)製品、サービス主導
手掛ける製品やサービスの知名度が高い場合で、消費者と直接の接点をもつ企業(B2C企業)は、製品、サービス主導型を理由に社名変更する例が見られます。たとえば、ファッション通販ZOZOTOWN・WEARなどを運営するZOZO(旧:スタートトゥデイ)、自動車メーカーのSUBARU(旧:富士重工業)、ホットプレートを始めとする家電やトラベルグッズを手掛けるBRUNO[ブルーノ](旧:イデアインターナショナル)なども、製品、サービスを主導に社名を変更した一例です。
(3)業態転換
変更する社名そのものに、自社のありたい姿を意味づける例もあります。たとえば、焼鳥屋 鳥貴族などチキンフード領域でブランド展開するエターナルホスピタリティグループ(旧:鳥貴族ホールディングス)がそうです。同社はグローバル展開を加速するという経営戦略のもと、自社のありたい姿を社名変更に意味づけています。業態転換型の社名変更は、事業領域の変化に合わせる形でみられます。
「安曇川電子工業」から「アドガワエレクトロニクス」に社名を変えた当社も、変更には社名そのものに自社のありたい姿を意味づける意図があります。顧客や取引先へ、ものづくりにとどまらない価値の提供を目指すうえで「工業」は外し、成長期待が続く半導体市場への適応力を示しました。社名変更は、名前を単に変えるだけでなく、私たち自身が変わる意思表示であり、決意表明です。
社名変更においては、企業として成長の連続性を意識しつつ、顧客や取引先、従業員を始めとする利害関係者(ステークホルダー)に与える影響を正、負の両面から考えることが大切です。たとえば、新社名と旧社名がかけ離れたものだったり、短期間で社名変更を繰り返したりすれば、顧客や取引先から同じ会社だと認識されにくくなります。
また社名変更に伴うコスト面も度外視できません。広告宣伝やウェブサイトの更新、名刺や封筒の作り変え、経理を始めとするバックヤードシステムの改修費用など、社名変更には従業員の手間や時間とともに、相応の費用がかかります。
それらを踏まえたうえで、5年、10年といった中長期的な視点でどれだけの期待利益が生み出せるか。社名変更の費用対効果を高めていくためには、中長期的に目処とする時期からの逆算の発想も欠かせません。
当社の場合は、変更する社名に自社のありたい姿を意味づけるケースがあてはまります。旧社名の安曇川電子工業から、新社名のアドガワエレクトロニクスへ。このケースでは、安曇川電子工業として築き上げた業界内の知名度を始めとするブランド資産が0(ゼロ)になるわけではないものの、築き上げたブランド資産を有効活用しにくくなるのが現状です。
たとえば、当社が近年注力しているウェブサイトやSNSを介しての情報発信においては、訴求する情報設計の見直しが求められます。いわば、ウェブサイトやSNSを介しての訴求力が一時的に鈍化し、成長の踊り場に立つことになります。
ただ、社名変更に込めた思いや意思表示を丁寧に顧客や取引先、従業員に説明し、共有することで、会社として新たな価値を市場に提供することも可能です。会社が変わってきたという認識が社内に広がりつつあるという他社の事例のなかには、社名変更が変革の第一歩となったと振り返る会社もあります。
自社の企業価値を市場に訴求し、その先にある顧客接点の創出を社名変更の目的のひとつとするなら、社名変更について会社のブランドストーリー(目的や意図、向かう先)を従業員一人ひとりが自分たちの言葉で語り、顧客や取引先に伝えられるようになることが大切です。ただ、口でいうほど簡単ではなく、そこにはコーポレート・アイデンティティ(CI、Corporate Identity)強化の視点が欠かせません。コーポレート・アイデンティティは、冒頭でも挙げた企業のブランドを構成する要素のひとつであり、ブランド構築の基盤になるものです。
コーポレート・アイデンティティとは、企業がどんな理念や価値観をもち、事業活動を通して自社の存在意義を社会にどのように示すか、それを一体的に表す仕組みです。たとえば、社名とロゴマーク、企業カラー(色)といったビジュアル・アイデンティティ(VI)は、コーポレート・アイデンティティの一部に過ぎません。
コーポレート・アイデンティティは、企業の存在意義や事業の目的といったパーパス(Purpose)を中核に、それを(1)実現するために目指す姿や成し遂げたい目標、経営理念といった根幹の考え方であるコーポレート・フィロソフィ、(2)日常業務や組織文化に落とし込まれる行動指針など、あらゆる側面で企業を体現するものです。
後半記事では、社名変更をコーポレート・アイデンティティ強化の視点で、つまり当社のような中小企業が、社名変更を企業ブランドの確立、強化にどのようにつなげていくかという視点で紹介します。
▼ 後半記事もご覧ください
・CI強化とインターナル・マーケティングの実例。向かう先を自分の言葉で語り、顧客に説明できるか
アドガワエレクトロニクスです。プリント基板・部品調達〜基板実装、電気機械器具組立まで、関西・近畿一拠点で一貫生産体制を整えています。製造工程を当社にお任せいただくことで、お客さまの有限資源(ヒト、モノ、カネ、トキ)を、企画や開発、設計などの中核能力に集中していただけます。
基板の製造、量産時の組付けや検査工程の改善 、コーティング(防湿処理)のご相談も、関西、近畿圏はもちろん、全国各地からお受けします。
プリント基板実装に関して38年(1987年〜)の実績があります。高精度・高品質な製品と技術ノウハウを提供するアドガワエレクトロニクスへぜひお問合せください。
古い #写真 がでてきました。安曇川電子工業が #電子部品 の製造を開始した #1973年 ごろ、50年前の #職場風景 です。最先端の仕事を通して、#地域 の #雇用 を創出するという創業の精神は、現在も引き継がれています。 pic.twitter.com/jtsBuvinON
— 安曇川電子工業|あどがわ (@adogawa_e) June 6, 2023
#製造現場 の様子です。撮影日を見ると #1988年。安曇川電子工業の主力事業のひとつ、プリント #基板実装 が始まったのが、前年の1987年です。 pic.twitter.com/HTkIZPdL36
— 安曇川電子工業|あどがわ (@adogawa_e) June 8, 2023
技術ハンドブックを制作しました。#スライド動画 で、いち部分を紹介します。#基板実装 の知識を始め、#試作 から #量産 にかけて #コスト 20%削減の #VA、#VE 事例を掲載しています。
月間PV数47,000超のオフィシャル #ブログ で、常に閲覧数上位の #ポイントディップ 提案事例も掲載しています。 pic.twitter.com/Gxxww0fsGM
— 安曇川電子工業|あどがわ (@adogawa_e) November 30, 2023
✓ #基板実装 の基礎知識が分かる
✓ #製造業 の #品質管理 体制を知りたい
✓ #製品価値 を適切な #コスト で高めたいスライド動画で誌面の一部を紹介します。
資料請求は、こちらからどうぞ。https://t.co/CG3vcw54jt#安曇川電子工業 #あどがわ pic.twitter.com/1jSBXlrTyq— 安曇川電子工業|あどがわ (@adogawa_e) January 27, 2024